トラック運転手の中でも花形職業である大型トラックの運転手が憧れるといわれるのが、トレーラー運転手です。仕事内容や必要な資格、未経験でも応募できるのかなど、トレーラー運転手について詳しくご紹介していきます。
1. トレーラー運転手になるために必要な資格
トレーラー運転手になるためには、どのような資格が必要なのでしょうか。
1-1 大型1種免許
10トンを超えるような荷台の大きいトレーラー（厳密には6.5トン以上）を運転するためには、大型1種の免許が必要です。大型免許には普通免許同様1種と2種がありますが、2種免許は路線を走行するバスや観光バスなど、乗客を乗せる際に必要となる免許であるため、貨物を運ぶトレーラー運転手では大型の1種免許を取得します。
1-2 けん引免許
荷台部分と運転席『トラクター』が切り離し可能なトレーラーのうち、750kgを超える重量貨物を積載して運転するためには、大型1種に加えてけん引免許の取得も必要です。海上コンテナ輸送に使用されるトレーラーでは20トンを超える貨物をけん引することも多いため、大型免許とけん引免許の両方が必要となるのです。
このほか、積み降ろし作業が発生する場合はフォークリフトの免許が、ガソリンなどを運ぶタンクローリー運転手の場合は危険物取扱者といった資格も必要となってきます。
2. トレーラー運転手の仕事内容
トレーラー運転手の仕事内容は、荷台に貨物を積んで目的地へ運ぶことが主となります。業種によって運ぶ貨物や走る距離が違うことはトラック運転手と変わりませんが、大きな違いとしては荷台を切り離してトラクター部分のみで走る場合があることと、大きな貨物をけん引するため、通常のトラックよりも慎重で正確な運転技術が求められるところです。
海上コンテナを運ぶトレーラーの場合、船の入港や出港のスケジュールに合わせて時間内に貨物を運ぶ必要があります。貨物の積み降ろしや積み込み作業を行う必要はほとんどなく、大きな貨物を安全に目的地へ届けることが最大の業務となります。トレーラーを運転するための免許が複数必要であることと、運転技術の高さが求められること、積み降ろし作業がなく、運転に特化していながら高収入が期待できることなどが花形職業と目される所以となっているのでしょう。
3. 本当に未経験でも応募可能？
トレーラー運転手未経験でも応募することができるのでしょうか。結論からいうと、未経験であってもトレーラー運転手へ応募することは可能です。
3-1 トレーラー運転手が未経験でも応募可能な理由
トレーラー運転手に限らず、どのような職種であっても未経験より経験者の方が優遇されるのは事実です。しかし、輸送貨物が年々増加しているにも関わらず、トレーラーを含む大型の運転手は高齢化の一途を辿っており、大型免許とけん引免許の両方を取得している運転手も少ないのが実情です。
3-2 人材育成に力を入れている企業なら未経験でもハードルは低い
トレーラー運転手は肉体労働が少なく、技術と経験があれば長く勤められる職種とはいえ、新しい人材が入ってこなければ深刻な人手不足に陥ってしまいます。今後の物流業界を担う人材の育成に力を入れていて、後継者や若い力を望んでいる企業であれば、トレーラー未経験であっても採用される可能性は充分にあるでしょう。
4. 就職・転職活動の進め方
トレーラー運転手を募集している企業への就職や転職活動は以下のように進めましょう。
4-1 求人を探す
まずはトレーラー運転手を募集している求人広告を探します。運転手を募集している求人を集めたサイトなどを利用するのも良いですが、企業サイトで募集しているものもあるので、業界大手のHPにある採用情報もこまめにチェックすることをおすすめします。
⇒大型トレーラー（けん引）運転手募集要項：鈴与自動車運送株式会社
4-2 必要な免許、資格を確認する
気になるトレーラー運転手の求人を見つけたら、募集内容を確認します。応募条件や必要な資格と免許、未経験歓迎や経験者優遇といった文章がないか、休日や福利厚生などもチェックしておきましょう。「トラック・トレーラー運転手募集」と書いていても実際にはトラックがメイン業務であったり、トレーラーは経験者のみ、というケースもあるので面接時にしっかりと確認することも大切です。
4-3 実技試験や健康診断なども
トレーラー運転手の求人には、書類選考と面接のほかに実技試験や健康診断も受ける場合があります。実技や健康面で不安が残ることのないよう、取れる対策は取っておきましょう。経験者はこれまでに運んだ物量や運転していたトレーラーの種類、未経験者はトラック運転手としての経験や類似する企業での勤務経験などがあればアピールすると良いでしょう。
長く営業している老舗や名の通った企業であれば、法令順守の快適な職場が提供されていることが多いです。経験者が多く在籍し、未経験者を育てる余裕を持った環境の中で若干名を募集している企業であれば、しっかりと技術を学んで一流のトレーラー運転手になることもできるでしょう。
